今回は「岩村式トレーニングブック 英文法編」を紹介します。
マップでいうところの第3ステージにあたる教材です。
岩村先生は私の尊敬する英語指導者の一人で、今までも
「徹底トレーニング英会話」、「英会話レッツスピーク」、そして
今も使っている「英語スキルアップ道場」などNHKラジオ講座の
関連書籍でお世話になっています。
岩村先生のポリシーは「理屈より練習」。
これは「理屈は適当でいい」ということではなく、「理屈を覚えるだけで
満足せず、それが実際の会話の場面で使えるように繰り返し練習しましょう」
という意味です。
「岩村式トレーニングブック 英文法編」もこのポリシーにのっとっていて、
巷の英文法の本とは一風変わった岩村先生らしい構成になっています。
私は第3ステージの1冊目に使いました。
本書は10章で構成されています。
第1章: 自動詞
第2章: 主語と動詞の使い方
第3章: 完了形
第4章: 動名詞と不定詞
第5章: 分詞
第6章: 受動態
第7章: 比較表現
第8章: 接続詞と関係詞
第9章: 仮定法
第10章: 前置詞
各章にそれぞれ例文が60ずつあるので、総例文数は600になります。
ページレイアウトは左ページ英語、右ページ日本語です(「どんスラ」と逆)。
コンセプトは「文法知識を運用できるようにするためのトレーニング本」
ですので、全ての文法事項を網羅しているわけではありません。
実際の会話での使用頻度が高い重要事項にポイントをしぼっており、
主要構文はほとんど含まれていますが、重箱の隅的なマイナー構文は
載っていません。
また、この本は文法編というタイトルが付いてはいますが、例文の文法事項の
解説が全くありません(笑)。このあたりが岩村先生らしいところです。
ですから、例文を文法的に理解できない or 理解できない部分を調べて補完
できない人はやめておいた方がいいです。と言っても大学受験レベルの
文法知識があれば充分ですが…。単語レベルは3000語+αくらいでしょうか。
例文の質はかなりいいと思います。いわゆる受験参考書のような堅苦しい
「文法書のための文章」ではなく、自然でありつつもくだけすぎず、
それでいてサラリと重要構文を使った例文たちはとても好感が持てます。
「この構文はこういうふうに使うんだ!」という発見がいくつもありました。
瞬間英作文用に作られた教材ではないので仕方ありませんが、日本語が
自然すぎて英文を連想しづらいものがいくつかあります。気に入らない
ところは直訳を自分で書き加えると、より使いやすくなります。
付属のCDは英語部分のみで日本語はありません。ナレーションは「徹トレ」
リスナーならお馴染みのJulia YermakovとGreg Daleです。非常にクリアで
聞き取りやすい発音です。
この本を特におすすめしたいのは
・文法事項を一通り覚えた人
・覚えた文法事項を「知識」から「使える英語」に変えたい人
です。私は第3ステージの1冊目に使いましたが、1冊目は「入試英語最重要構文540」
みたいな網羅的な教材でも良かったかな~という気がします。
網羅的な教材を一通りやった後に、さらにこなれた文法力を身につける
ための2冊目以降の教材として、とても優れていると思います。
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