今回は「新感覚☆わかる使える英文法 エクササイズブック」です。
第3ステージの3冊目に使いました。
この本を選んだのは「たまたま行った本屋で目に留まったから」で、
深い理由は全くありません(苦笑)。ほとんど衝動買いでした。
2冊目が「岩村式トレーニングブック英文法編」で少し難しめだったので、
次は少し易しめのがいいな~とは思っていましたが…
でも、適当に選んだわりには個人的には得るものが多かった教材です。
この本ではタイトルのとおり、英文法を
(1)「わかる」…学ぶ内容を「なるほど、そうなのか」と納得し、
(2)「使える」…理解した文法を身体感覚のように自然に使えるようにする
ことを目的としています。
そのため、通常の文法書とは異なる独特の構成を取っています。
【Part 1】 コトの世界を語る: 動詞の文法
【Part 2】 モノの世界を語る: 名詞の文法
【Part 3】 状況を語る: 副詞の文法
【Part 4】 チャンキング: 構文と配列
大ざっぱに品詞で分類されていて、文法事項的にはほぼランダムに
出てくるシャッフル教材です。一通り高校文法までは終わっていた
ほうが望ましいです。
例文数は778でボリュームはまずまずです。一文は長くても10語程度で
覚えるのに苦労するような複雑な構文はほとんどありません。
網羅的ではありませんが、主要構文はほぼカバーしています。
いわゆる比較の難構文が結構多いのが個人的にポイント高いです。
ページレイアウトは左ページ日本語+ヒントとなる解説、右ページ英語で
「どんスラ」と同じ構成です。日本語はやや自然すぎるものもあるので
適宜書き込みが必要です(それほど多くはありません)。
付属CDは例文の日本語→短いヒント(日本語)→英語の順番です。
正直私はヒントはいらないと思います。時間がかかるし、テンポが悪くなります。
編集ソフトを持っていれば、ヒント部分をカットしてもいいかも…
この本の一番の特長は、気づき(awareness-raising)と関連化(networking)
を重視しているところだと思います。
一例をあげると、現在完了形を学ぶ場合、普通は「have+過去分詞」の形、
それに「完了」「経験」「継続」の用法があることを覚えますよね?
しかし、そのままでは「なるほど」という実感はわきません。
なぜhaveなのか、なぜ過去分詞なのか、なぜこうした用法があるのかを
理解せず丸暗記しているからです。
現在完了形の本当のポイントは
為されたこと(過去分詞)が現在の経験空間にある(haveしている)
というところにあります。
<例>
I have just finished reading the novel.
↓
私 [I] は読み終えたという状態 [just finished reading the novel] を [have] している
この「気づき」はかなり目からウロコでした。
「なるほど!」と完了形を感覚的にとらえることができました。
haveを使うこと、過去分詞を使うことが自然に体に入ってくる感覚です。
(この文章で伝わってるか不安ですが…)
この感覚を身に付ければ、「完了」「経験」「継続」の用法は
当たり前の事として理解できます。
そうなるとしめたもので、次はその「気づき」をもとに様々な構文を
「関連化」することができます。
完了形の例で言えば、私はこの「気づき」によって、
それまで苦手だった過去完了や助動詞+完了形などの構文が
つながって、一気に理解することができました。
この本には、その他にもいろいろな「気づき」となる解説やヒントが
いくつも散りばめられています。
この「気づき」があるかどうかが評価を分けると思います。
文法学習の過程や理解度のレベルは個人によって全く異なるので、
「気づき」がある人にはとても有益な教材だし、そうでない人には
まとまりに欠ける退屈な教材と映るかもしれません。
個人的には、それまでの文法書で覚えた文法を違った角度から
見ることができて、より立体的な文法力が身に付けられました。
一度文法を仕上げた後にやってみると、何かしらの発見はあると思います。
エクササイズブック (語学シリーズ NHK CD BOOK新感覚・わかる使える英文法) (2008/10) 田中 茂範、佐藤 芳明 他 商品詳細を見る |